Jazz & Drummer

ジャズ・フュージョンの新譜や好きなドラマーのことなど音楽98%、感じたままに書いている個人ブログです。



Michel Camilo(P)
Anthony Jackson(B)
Joel Rosenblatt(Ds)
Dave Weckl(Ds)

今回から「懐かしの一枚」という書庫を新たに設け、思いで深いアルバムをUPして行きます。
(以前にUPしてあった深町純もこちらに移動しました)

幻のバンド「フレンチトースト(84年)」でデビューしたミッシェル・カミロのリーダー作としては「ホワィノット?」に続くセカンドである。「フレンチトースト」では同時にディブ・ウェックルもデビューしているので、今になって思えばこれは歴史的な名盤と言ってもいいだろう。
ファーストにはブラスが入っているので、カミロのピアノを聴くというよりもどちらかというと彼の楽曲のカッコよさに惚れていたのだが、この「イン・トリオ(86年)」は初のピアノトリオ作品だったので、これでピアニストとしてのカミロの全貌が明らかになったのではと思っている。ドミニカ共和国出身のカミロのピアノはとにかくリズミック。やはりラテンの血なんだよね。リズムの正確さは絶品だし、フルパワーで弾いているのでピアノの音もとても大きくて、とにかく今までにないタイプの新しいピアニストという感じだった。
この「リズムの鬼」のようなピアニストに合うベーシストといったら、何といってもアンソニー・ジャクソンだろう。彼もまた「リズムの鬼」でまさに人間メトロノームとでも言いたいぐらいに完璧なテンポでベースを弾く人。決して目立つような奏法(チョッパーとか)はしないけど、だからこそスタジオワークでさまざまなミュージッシャンから引っ張りだこだった訳だ。音楽のボトムをしっかりとキープしながらも時たま見せる変なワザがとてもかっこいい。6弦ベースを一番最初に使ったのが彼ではないかな?(LPではあまりよく聞こえなかった6番弦の開放音がCD時代になってからようやく聞こえるようになったって記憶がある)立って演奏しているのは見た事がないほどイスが良く似合う。
そしてドラマー。ディブ・ウェックルについてはすでに別項でも書いているが、彼のおかげで私はスティーブ・ガッドから足を洗ったわけで(フレンチトーストで)、その真の実力が発揮され始めたのがこの「イン・トリオ」から。もはや人間業とは思えないドラミングに、私は何度ため息をついたか分からない。それとこのアルバムで初めて聴いたジョエル・ローゼンブラットもウェックルと全く同じタイプのドラマーで、彼にもかなりショックを受けたね。世の中にはこんな凄いドラマーがごろごろしているのかと思い、趣味でやっているドラムを一時期辞めようかと思ったほどだ。
そんな面々がやっているこのアルバムは、「カッコいい」「スピード感」「凄い」「恐ろしい」という言葉以外に私は表現できないのである。

数あるカミロのアルバムの中でも最高傑作として私は今でもタマに聴いている。

--EDIT--



Peter Beets(P)
Reginald Veal(B)
Herlin Riley(Ds)

ピーター・ビーツ(オランダ人、現在34歳)は97年のビーツブラザーズでデビューしたようだが、私が初めて聴いたのはCriss Cross盤の1作目から。バックメンバーはアルバムごとに違うがNew York Trioというシリーズの3作目が本作品である。今回のバックはレジナルド・ビールとハーリン・ライリーの名コンビ。ウィントンやマーカス・ロバーツや大西順子など、なにを聴いても相性が抜群にいいよね。

1曲目のボサ、ビーツの指が鍵盤上をコロコロとよく動いていて気持ちいい。ライリーはシンバルをきちんと8分音符で刻んでいるがこの速さは異常ですな。おそらく手首ではなく指を使ってスティックを動かしているんだろうが、私などは2~3小節ぐらいしか出来ないだろう。速すぎる~!
2曲目のアップテンポ、ビーツのオリジナルだがまるでバド・パウエルのような曲で、アドリブフレーズまでもがちょっとパウエル風になっている。演奏がだいぶ乗ったのかラストテーマの後にまたかなり長いアドリブを取っちゃった。
3曲目のミディアムテンポ、スネアのピアノへの絡み具合がなかなかいいね。ビールのベースソロは引き出しの多さが感じられてさすがとしか言いようがない。
4曲目はバラード、これはどうってことなく普通。
5曲目のアップテンポ、ピアノのアドリブに入ってもなかなかビールがランニングをしてこなくて、ライリーが苦笑いをしているのが目に浮かぶよう。わたしゃこういうお遊びは大好きですな。ビーツが思いっきりピーターソンしています。
6曲目はシンコペーションのリフがとても複雑な曲、ここでは逆にライリーがなかなかスィングビートを出してこなくてビールをちょっと苦笑させている。それが後をひいたのかベースソロはいまいち盛り上がることなく終わっちゃった。
7曲目は名曲ジャンゴ、彼らならこの曲をいろんな方向に持っていけるだろうが、ここではあえてMJQの雰囲気を再現させている。おみごと!
8曲目はブルース、ピアノとドラムのバースのところでお互い1拍半フレーズを大安売りしていて、分かる人なら思わず「いぇ~い!」と言ってしまいそう。

ピーター・ビーツは今のところは輸入盤でしか聴く事ができないが、ちゃんとした正統派ピアニストなのでヴィーナス盤とかの日本盤でデビューすればかなり人気がでるのではないだろうか。
あと、同じオランダ人のギタリスト、ジェシ・バン・ルーラーあたりと組み合わせても面白いんではないかと思うネ。

--EDIT--



Didier Lockwood(Violin)
Bireli Lagrene(G)
Niels Henning Orsted Pedersen(B)

日本ではジャズ・バイオリンといえば寺井尚子が有名で、彼女が初めてジャズにバイオリンを取り込んだようなものの言い方で評論家たちは絶賛している。しかし、それはあくまでも日本のはなし。世界的に見ればジャズ・バイオリニストって昔からいるんだよね。ステファン・グラッペリを筆頭にジェリー・グッドマン、ジャン・ルック・ポンティ、マイケル・ウィルバニアク、ノエル・ポインター、レジーナ・カーター、そして本作品のディディエ・ロックウッドとね。

これはロック上がりだが今では全うなジャズをやっているロックウッドが、97年に亡くなったグラッペリを追悼した作品(00年)。私にとっては参加しているペデルセンへの追悼盤でもある。
グラッペリが往年好んで弾いていたであろうと思われるスタンダード・ナンバーを、ロックウッドは彼のフレーズもうまく取り入れながらも実に雰囲気良く弾いている。同じDreyfusレーベルの盟友ビレリー・ラグレーンがここでは全曲アコギでやっていて彼のジプシーギターの魅力が満載だし、超ベテランのペデルセンが右手の薬指(小指もか?)まで使って弾いているテクニックの凄さと音程の素晴らしさも特筆に記すものがあるね。

さて、寺井尚子である。
数年前に一度見た事があるが、この夏我が地方のジャズフェスに来てくれるのでいまから楽しみ。
ただバックがどうもな~。今のメンバーがいまいちだと思っているのは私だけだろうか?

--EDIT--

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