Jazz & Drummer

ジャズ・フュージョンの新譜や好きなドラマーのことなど音楽98%、感じたままに書いている個人ブログです。

Tony Williams Lifetime/Believe It

Allan Holdsworth(G)
Allan Pasqua(Key)
Tony Newton(B)
Tony Willams(Ds)

マイルスのクインテットに弱冠17歳で加入した天才児トニー・ウイリアムス。
師匠の元を離れて69年にはジョン・マクラフリン、ラリー・ヤングとライフ・タイムを結成している。
私がリアルタイムで聴いたのはスタン・ゲッツのキャプテンマーベル(72年)やスタンリー・クラークのデビュー盤「スタンリー・クラーク(74年)」からなのだが、その怒とうの如きドラミングにはだいぶショックを受けたものである。これにはいい意味と悪い意味があるのだが、まず悪い意味ではあのマイルス時代の素晴らしい天才的なドラミングはどこへ行ってしまったのかということ。いい意味では別人として聴いた場合はこれはこれで悪くはないかなということ。(以降のトニーは私は全くの別人として聴くようにしていたね)

本作(76年)はメンバーを一新した久々のライフタイム名義のアルバム。(たしかニュー・ライフタイムって呼んでいたかな?)すでにテンペストやソフトマシーン等のプログレバンドで活躍していたアラン・ホールズワースを引き入れての作品。それと今ではピーター・アースキン・トリオなどでとてもデリケートなピアノを弾いているアラン・パスクァも参加している。
76年といえばすでにクロスオーバーというジャンルが存在していたと思うが、ライフタイムに関していえばやはり昔からのジャズロックと言った方が何となくシックリくるかな。
このアルバムでも別人トニーはだいぶはじけている。後期のVSOPなどでもおなじみの手癖のオンパレードだね。
メンバー全員が曲を提供しているが、私が最も好きな曲はアラン・パスクァ作曲のProto-Cosmosかな。この曲はホールズワース・フリークのギタリストもだいぶお気に入りとみえて、日本人のTAKINO(最近どうしているのだろう?)が我が町に来た時にやっていたし、グレッグ・ハウ(別項)もやっている。もしかすれば彼らがホールズワースにハマるきっかけになったのはこのアルバムかも。その中でもこの曲はトリッキーながらも比較的コピーしやすいので「アラン・ホールズワース入門」って感じかな。

これ以降、別人トニーはグレート・ジャズ・トリオやVSOP、自己のクインテット等の4ビートジャズのバンドでも別人のままやりとおしたのだが、そのドラミングのマンネリズムに辟易していたのは自分自身ではなかったのかなぁ。
97年に51歳の若さで入院中に心臓発作で亡くなってしまいとても残念ではある。


--EDIT--



Ryan Kisor(Tp)
Grant Stewart(Ts)
Peter Zak(P)
John Webber(B)
Jason Brown(Ds)

去年ジャズフェスで見たのとほぼ同じメンバー(ピアノはサム・ヤヘルだった)によるライアン・カイザーの最新盤。
生存しているトランペッターで私が一番好きなのはウィントン・マルサリスで、これはもう別格。で次あたりがライアンかな。彼のペットは緻密な中にも程よく遊びがあってとても大らかに聞こえる。こういう開放感のある人って近頃少なくなってきたんじゃないかな。ライアン以外の最近の若手は妙に生真面目でこじんまりとしていて「華」がないようにいつも感じているだよね。
フロントでコンビを組んでいるグラント・スチュワートは簡単に言えばエリック・アレキサンダー・タイプ。目指しているものが同じなんだろうね。ただ、フレーズ的にはエリックほどは細かくないかな。引き出しも少ないし。でも程よい「ゆるさ」がライアンとの相性を良くしている。
本作では1曲目にジェイソン・ブラウンのドラムがトニー・ウイリアムス化していてちょっとビックリ。あれ、こんな人だっけ?と思いながら聴いていたら2曲目からは去年見た通りのドラミングに戻っちゃった。1曲目の路線で全部やればVSOPのようで面白かったのになぁ。

まあ、どうってことのないバップ風なアルバムなのであれこれ書くこともないけれど、いちばん飽きが来ないのがこういうタイプの演奏ではないかな。私は好きです。

このCDでの儲けものは芯がシッカリとしたジャズ的な録音。エンジニアはジェームス・ファーバーだが、彼にしては珍しく音の上下をカットして、あえて中域主体の50年代あたりのサウンドに仕上げている。おかげで、全ての楽器が図太く迫ってきているね。ボリュームを上げても決して耳に刺さるようなことはないだろう。

ライナーノーツでは寺島靖国さんが相変わらずの「演奏ではなく曲を聴け」的なジャズ論を説法している。まずは曲ありきの人だからね。
私のように、まずは演奏ありき(ミュージシャンありき)で曲は単なる題材に過ぎないと思っている人間にとっては痛い所を衝かれている。そもそも曲名自体スタンダードでもほとんど覚えていないからね。(曲そのものは知っているが)
でも、どんな演奏をするのも自由、どんな聴き方をするのも自由というのがジャズの素晴らしいところだと思うんですが。それと聴きたくないものは聴かなきゃいいわけだし。
言っていることはよく分かるのだが、自分の意見を一方的に人に押し付けるようなものの言い方をしたって誰も相手にしてくれないんじゃないかなぁ。(まあ私にもそんなところがあるかもしれないが)
尊敬している寺島先生のことながらも「また始まったな」という気分です。

--EDIT--



オッカケはしていないので年齢も経歴もよくは知らないマット・ウィルソン。
持っているアルバムは彼のリーダー作Humidity(02年)、Wake Up !(04年)とレギュラーベーシストだった井上陽一のPeace(02年)ぐらいかな?あとジェイソン・モランかその辺のヤツにも入っていたハズだが、ちょっと思い出せないでいる。映像としてはModean Drummer Festivel Weekend 2003に入っている。

デビューは意外と遅く、96年にデューイ・レッドマンやセシル・マクビーを迎えて作ったリーダー作As Wave Follows Waveのよう。
何を聴いて(観て)も感じるのだが、彼の音楽の根底にはオーネット・コールマンでも潜んでいるのではないかな。だいぶ自由な曲想とユニークなドラミングはちょっとやみつきになりそうなところもあるのだが、どっぷりと浸かるには勇気が必要。聴き疲れを覚悟しなければならないので、今のところは気力の充実している時だけにしている。

Modean Drummer Festivelは超一流のドラマーの祭典なのだが、マットがこれに出演したということはアメリカではかなり人気があるのかなぁ。う~ん、よく分からん。音楽的には全く一般受けしないことをやっていると思うのだが、動くマットを観れたんだからまあいいや。
彼のドラミングは奏法的にはユニークのひとことに尽きるね。とくにドラムソロなどはかなりコミカルな印象を受ける。好き嫌いは別にして、テクは流石にかなりのモノを持っている。
4ビートジャズの外国人ドラマーとしては数少ないPearl Drumsの愛用者の一人ですな。

最近のもののおススメは上記リーダー作のWake Up !(04年)。Terell Stafford,Larry Goldings,Dennis Irwinらと比較的聴きやすいジャズをやっています。

と書いた後に同メンバーでのArts and Crafts(00年)も持っている事が判明。さっそく聴いて見たが、ごく普通のバップをやっていてオーネット臭さは全く感じられない。やっぱりこの人は訳分からんです(苦笑)

--EDIT--

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