Jazz & Drummer

ジャズ・フュージョンの新譜や好きなドラマーのことなど音楽98%、感じたままに書いている個人ブログです。

Walter Smith III / Twio

Walter Smith III (Ts)
Harish Raghavan (B)1, 2, 6, 7
Eric Harland (Ds)
Special Guests:
Christian McBride (B)3, 5, 8, 9
Josha Redman (Ts)3, 9
Rec. 2017?, NYC
(Whirlwind Recordings WR4718)

クリス・ポッター以降に登場してきたテナー奏者の中でもお気に入りの一人がこのウォルター・スミスIII。リーダー作はこれまでに「Walter Smith III/Casually Introducing(06年)」「Walter Smith III/Live in Paris(10年)」「Walter Smith III / III(10年)」「Walter Smith III / Still Casual(14年)」(各別頁あり)を聴いてきたのだが、サイド参加でも「The Terence Blanchard Group/Choices(09年)」「Eric Harland / Voyager: Live by Night(10年)」「Ambrose Akinmusire / When the Heart Emerges Glistening(11年)」「Next Collective / Cover Art(13年)」「Eric Harland Voyager / Vipassana(14年)」「Dayna Stephens / Reminiscent(15年)」「Danny Grissett / The In-Between(15年)」「Donald Edwards / Prelude To Real Life(16年)」(各別頁あり)等で非常にいい仕事をしているので、ハリシュ・ラガワン、エリック・ハーランドの超強力なリズム隊に加えて、ゲストでクリスチャン・マクブライド、ジョシュア・レッドマンも参加している本作には大いに期待している。

モンクの「Ask Me Now」、ジェローム・カーンの「Nobody Else But Me」、F. Grofeの「On The Trail」、カール・フィッシャーの「We'll Be Together Again」、サミー・フェインの「I'll Be Seeing You」、ショーターの「Adam's Apple」、ジミー・ロウルズの「The Peacocks」、ジジ・グライスの「Social Call」、スミスIIIのオリジナル「Contrafact」で全9曲。
レッドマン入りの曲も含めてコード楽器レスの演奏だし、選曲の関係もあって全曲を4ビートでやっているのもこれまでのリーダー作とは異なる点。なのでスミスIIIの特徴である現代ジャズ色は希薄なのだが、それがむしろ直球勝負といった感じで好感が持てる。サックストリオといえばロリンズの「A Night At The "Village Vanguard(57年)」「Way Out West(57年)」やブランフォード・マルサリスの「Trio Jeepy(89年)」、あるいは最近のところでは「JD Allen / Americana: Musings on Jazz and Blues(16年、別頁あり)」等のJDアレンのメンバー固定のサックストリオ諸作品がすぐに思い浮かぶけど(あとアルトではケニー・ギャレットの「Triology(95年)」とか)、本作での幾分肩の力を抜きながらのリラックスした感じのスミスIIIのプレイは、ある意味「Way Out West」にも通じるものがある。7曲目の「The Peacocks」は、ブランフォードも「Renaissance(87年)」でやっているので、おそらくそれを意識しての選曲だと思うけど、いずれにしてもコルトレーン的な要素(アグレッシブな)をあえて少なくした演奏が逆に新鮮に感じる。どの曲をとってもスミスIIIの大らかなテナーが素敵だし、レッドマンとマクブライドを含めた他のメンバーのスミスIIIに同調したプレイも実にいい塩梅。個人的にはハーランドがもっと暴れるような演奏を期待していたけれど、そういう曲はほとんどやっていない代わりに、6曲目「Adam's Apple」ではロングドラムソロを取っているので、叩き足りなく感じることはないし、スミスIIIを引き立てるために普段よりも音数少なめに吹いているレッドマンはさておき、ラガワンとマクブライドも持ち前の個性を発揮しながら力強いベースを弾いているおかげで、終始いい感じて楽しむことができた。トータル48分と、短い時間で簡潔に終わるのもグッドだね。
演奏には文句のつけようがないし、録音(エンジニアはChris Allen)も温かさを伴った各楽器には芯の太さが感じられるのに加えて、スピーカーの前面に浮かび上がる音像のバランスも見事で、本作は当然ながらの5つ星。これだけ良いとなると、今年の私的ベストアルバムの上位になるのも確実だろう。

評価☆☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)

Twio
Walter Smith Iii
Imports
2018-02-16



--EDIT--

Kenny Werner Trio / Animal Crackers

kenny Werner (P, El-P, Syn)
Johannes Weidenmueller (B)
Ari Hoenig (Ds)
Rec. May 9-10, 2016, Germany
(Pirouet PIT3099)

ケニー・ワーナーの、ヨハネス・ワイデンミューラー、アリ・ホーニグとのトリオ作品にはハズレなしなので、「Kenny Werner / The Melody(15年、別頁あり)」に次ぐ本作にも大いに期待しているのだが、Pirouet盤は総じて音量レベルが低いのは気になるところ。その辺はレーベルの主宰者、エンジニアでありテナー奏者でもあるジェイソン・セイザーが意図してのことだと思うけど、アンプのボリュームを上げれば済むだけの問題ではないので(音質に影響してくる)、できれば他レーベル並みの音量レベルにして、なおかつダイナミックレンジも広い音で録ってくれるよう願っている。おそらく本作も演奏はさておき、そういう音的な不満が出てくるのは確実だろう。

ワーナー曲が4曲、3人の共作が2曲、スタンダードの「The Song is You」「I Should Care」「If I Should Lose You」で全9曲。
自由度が高いながらも、細かい部分まで楽譜に書き込まれていたりもする演奏はこのピアノトリオならではなのだが、今回は曲によりエレピやシンセも部分的に使っているのがサウンド上のいいアクセント。またダークな曲調のオリジナル(8曲目「Iago」だけは明るめ)と、綺麗なコード進行のスタンダード曲の対比もいい感じだし、4ビート曲と16ビート曲もバランスよく配列されていて、アルバムを通して聴いても飽きないような工夫を施しているのには好感が持てる。スタンダードであってもベースがウォーキングをしていない場面もあったりして、どの曲をとっても一筋縄ではいかないのが私好みではあるのだが、全体的に知的な演奏となっていて、盛り上がりにはイマイチ欠けているので、もう少しいい意味でバカになって演奏してもよかったかもしれない。そういうのはワーナーが好まないとはいえ、特にオリジナル曲の何曲かは不完全燃焼に終わっているような印象を受ける。でも演奏上での不満点はそれぐらいで、私としては大好きなホーニグのポリリズムを多用したトリッキーなドラミングを聴いているだけでも満足してしまうけどね。近年の愛聴盤である「Gael Horellou / BrOoklyn, featuring Ari Hoenig(15年、別頁あり)」あたりと比べると控えめではあるけれど、これ以上叩くとトリオとしてのバランスが崩れてしまうので致し方ないだろう。そんなホーニグとワーナー、ワイデンミューラーが会話をしているかのようなインタープレイ的な演奏を楽しむことができる。
ということで演奏自体は概ね期待どおりではあるのだが、録音(エンジニアはセイザー)はやっぱり音が小さく録れていて、更にはベースも僅かながら遠く感じられるので、これで音的にも私好みだともっと良かったのになあと思ってしまった。

評価☆☆☆☆ (☆最悪!、☆☆悪い、☆☆☆普通、☆☆☆☆良い、☆☆☆☆☆最高!)

Animal Crackers
Kenny Werner ケニーワーナー
Pirouet
2017-11-23



--EDIT--

(HMV)
1.Jure Pukl, Matija Dedic / Hybrid
2.Rostislav Fras /Use The Moment
3.Denis Gabel / Good Spirits
4.Lewis Porter / Beauty & Mystery
5.Olegario Diaz / I Remember Chet
6.Zhenya Strigalev / Blues For Maggie
7.Roger Kellaway, Jay Leonhart, Peter Erskine / New Jazz Standards 3

5枚で40%オフセール利用。

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